森から海までの自然の循環、自然の循環や人々の営み、人々のつながり、地域の景観などをつくってきたシステムとしての茅葺きのあり方、微生物環境や高周波などの人の心身の健康に与える科学的な研究で伝統智を現代に応用する試みを含め、今まで研究してきたことを今、自分が住んでいる家と敷地を用い、一つの提案にまとめました。
敷地内にはヒノキの森、茅場、竹林、ワラビ畑、ため池、畑などがあり、春は山菜、秋は果物などがたくさん収穫できます。
家主が不在で、長年、放置され荒れていた畑や土地を活用し、今年から環境再生をしながら、ビオトープやソバ畑などをつくりました。
ビオトープは裏山のため池の水を引き、水路をつくり、イネやマコモ、クレソン、ソバ、トマト、パプリカ、サトイモ、メロン、スイカなど食べられるものや四季折々の花の種を植えました。イモリやカエル、トンボ、バッタなど多くの生きものが集い、生息する場所となりました。
農薬や肥料などは使っていませんが、それでも大きくたくさんの収穫を得ることができました。
また、この地域では鹿やイノシシによる獣害がひどく、畑や田んぼは荒らされてしまうので、周りの畑や田んぼは柵で覆われています。
しかし、このビオトープは柵をしないままでも、いまだに獣害の被害にあっていません。
また、山からの水が流れているところからは高周波が出ており、人の免疫力を上げ、ストレス低減、精神疾患の改善に役立ちます。
このビオトープは荒れた土地を活用し、これまでの研究を生かす一つのモデルとしてつくりましたが、このような人と自然のどちらにとっても、いい循環ができるものを今後の国土計画や都市計画、地域計画、ランドスケープ、建築のデザインに生かしていきたいと思います。
今後は、ここで採れる木材や竹、茅、土などを使って、茅葺きの茶室や健康住宅をつくったり、森を生かした心身の健康プログラム、環境教育プログラムなどをつくっていく予定です。