環境再生活動
場所:軽井沢本田氏別荘
作業日程:2021年4月23日
活動内容
・敷地の表層浸透水脈づくり
・植栽マウンドづくり
作業手順(表層浸透水脈)
- 溝を掘る
- 燻炭を入れる
- 穴を溝のカーブの箇所や分岐点、水脈が詰まっていそうなところに空ける。
- ③の穴に藁を5、6本絡めたものを入れて、地面の高さより1、2cmの高さで整えて切る。
- 溝にふんわりと、しかししっかりと落ち葉を入れる。周りの盛り上がった土をやわらかく踏み固める。
そうすることによって、菌糸が土中で成長し、土が団粒化し、溝に浸み込んだ雨水が流れる水脈が土中にできる。
作業手順(植栽マウンド)
- 土を盛る
- 燻炭を混ぜて練り込む
- 枝などの有機物を混ぜ込む
- 枝でビーバーの巣のようにしがらみをつくる
そうすることによって、菌糸が成長し実生の木が生える素地をつくる
学んだこと
・必要な材料は極力その土地で採れるものを使う。枝、落ち葉、炭など。燻炭はもみ殻を灰にしたもの。
・自然にやさしく、人にも心地いい環境は、地上部分にも土中でも水と空気がながれているかどうかで決まる。
・枝は水が上から下に流れるように、立体的にしがらみをつくり、なじませるように入れていく。
・葉のついた枝は雨が降った時に横の土から出る泥を濾すために挿していくように入れる。
2021年4月24日~4月25日
活動内容
・点穴づくり、点穴での枝燃やし
・建物基礎わき表層浸透水脈づくり
・斜面変換線の表層浸透水脈づくり
・植栽マウンド「鳥の巣」づくり
・斜面変換線の表層浸透水脈づくり
・樹木周辺の鍼治療
・アスファルト道路の脇、地形変換線の手前の表層浸透水脈づくり ・敷地内の高木の剪定
作業手順(点穴づくり、点穴での枝燃やし)
- スコップで穴を掘る
- そこに敷地内の風通しの悪くなっている木を剪定した枝を燃やす
そうすることによって、強制的に土中の水を動かす(土中の水圧の関係)
穴の表面は素焼きの状態になる→調湿作用ができる
土中の水分が多いときは焼いた表面から蒸発させ乾燥させる。水分が少ない時は土中に水分を入れる
終わったら炭の上に土、枝の層をつくっていく
点穴を敷地に対角線上に2つ作り、地面の下の水の流れをつくる
*点穴は深さ50cmくらい
*軽井沢の土壌は黒ボク土でやわらかい
作業手順(建物基礎わき表層浸透水脈づくり)
- 建物の基礎のわきにスコップで溝を掘り、燻炭(くんたん)を入れて落ち葉を入れる。
表層浸透水脈と同じように藁を間隔(500mmから1000mm前後)を空けて入れる
そうすることによって、建物の下に湿気が溜まって水が動いてない状態から水が動き、湿気がたまらないようにする
*燻炭(くんたん)
もみ殻を炭化させたもの。土壌改良材。
参考
作業手順(斜面変換線の表層浸透水脈づくり)
- 斜面変換線(地形の勾配が変わるライン)にスコップで溝を掘る
- その溝に炭を入れていく
*スコップは体重をかけるようにして溝を掘っていく。あまり何回も押し込まない。
作業手順(植栽マウンド「鳥の巣」づくり)
- 敷地内で採れた木の枝を使い、しがらみ(枝が絡み合った状態)をつくる
- 土を盛る
- 燻炭を混ぜる
- 枝など有機物も混ぜる
- 土を盛る
*左右2点支持と互い違いに挿し込むものと組み合わせてビーバーの巣のようにつくる。
以下繰り返し
そうすることによって、実生による木が生えて、雨が降った時に上にある道路から泥が流れてこないように土留めの役割を果たす。
作業手順(斜面変換線の表層浸透水脈づくり)
スコップで溝を掘り、燻炭を入れる
その上に炭を撒き、落ち葉を敷き詰める
そうすることによって、植生が変わる。この敷地はトゲをもつ植物やつる系植物が多かった。
それらは土中で水と空気が停滞している証拠で、他の植物に絡み枯らせてしまう。
健全な土中環境に導くことで植生が自然と変わっていく。
作業手順(樹木周辺の鍼治療)
- 樹木周辺に点穴を空ける
- バールで穴を空けてくんたんを入れる
- そこに藁を入れる
- 振動でくんたんを入れていく。木の枝も入れる
目的は上記と同じ。
作業手順(アスファルト道路の脇、地形変換線の手前の表層浸透水脈づくり)
- 道路の脇、地形が崖になる手前で溝を掘る
- ①で堀った溝にくんたんを入れる
- 藁を間隔を空けて入れる(500mm前後)
- 溝に落ち葉を入れて、溝の周りをやわらかく踏み固める
*崖の手前は土が湿っていた。水がたまっている証拠。固いところもある。
アスファルト道路の脇は砕石がたくさん入っていて硬く、なかなか藁を入れる点穴を掘るのが難しかった。
作業手順(敷地内の高木の剪定)
*自分はやらなかったが、高木の枝を剪定することによって、鬱蒼としていた敷地が光と風が入る気持ちのいい空間になった。