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The film, “Umi Yama Aida”, one reference for the concept of Regreen

2020年当時の記事です。

 

「うみやまあひだ」
伊勢神宮を切り口に、日本人が続けてきた持続可能な建築、環境づくり、精神文化づくりを伝える映画です。2011年に起きた福島での原発事故などを経て、これまでの人類の社会や経済、建築や都市、生活、文明のあり方など、このままで果たしていいのだろうか、これからどのような未来が必要なのかと考えていた頃、2016年に出会った映画です。

 

神宮という神社をつくるには木が必要ですが、森でその木を育てるところから神社づくりはスタートし、それが人やあらゆる生きとし生けるものたち、川の流域の地域環境の循環や健康につながり、精神性や文化、技術、守っていくべき大切なものを長く後世に伝えることができるという示唆を与えてくれました。

 

木を育てる時には、針葉樹と広葉樹をバランスよく植え、混交林とすることで、動物が広葉樹の実を食べ、排泄物を微生物が分解し、腐葉土ができ、その豊かな土壌に雨が降り、養分豊富な地下水となり次第に川へ流れ、最終的に海まで到達し、植物プランクトン、動物プランクトンを育て、魚やアワビ、カキがよく育ち、人間の営みに還ってきます。森で育った大径木は建築用材として、最後まで大切に扱われます。その森の中では昆虫、動物、川のせせらぎ、風によって木々や葉がこすれる音など人間の耳に聴こえる音域だけでなく、耳では聴こえないが確かに存在する高周波の大オーケストラがあります。

約1 万年前の農耕革命によって平地に移るまで、私たちの祖先は哺乳類の仲間であった太古の昔から森の中あるいは森の近くで生活し、その環境の中にある情報をベースとして、遺伝子を育んできました。そのため、現代でも、森の中に入ると清々しく心地いいと感じるのはその遺伝子がそのような環境下で進化してきたからかもしれません。


それと比べると、現代の都市環境は高周波を発している媒体があまりにも少なく、建設現場、交通面でも不快感を与える騒音が目立ちます。伝統的な農具(鎌すき、鍬、脱穀機、唐臼など)や建築用具(のこぎり、かんな、のみなど)、楽器(尺八、オーボエなど)は高周波を出しています。


現代生活がストレス社会であり、新型コロナウィルスなどの感染症、新種の病気が多くいまだに問題なのは都市環境に免疫力を上げる環境情報が昔と比べ、圧倒的に少なくなってしまったことにも要因があると考えられます。

 

 

うみやまあひだ予告編

 

プロデューサーや監督たちが語っている記事と映像

 

https://nextwisdom.org/article/1418/

 

 

コロナでも露呈しましたが、都市に過密して消費を繰り返すことを助長させる社会の仕組みは人間のみならず自然界にも害になる場合があります。地球を一つの生命体として捉えた時、地球の自浄作用によって、災害やウィルスというものが引き起こされているのかもしれないと思うこともあります。東北大震災からちょうど10年。もっと変わっていてもおかしくないのに、逆に自然と対峙してしまった日本社会に向かっている気もします。そこに我慢できなくなったようにコロナウィルスが世界的に広まり、日本でもだんだんと東京一極集中から地方の自然豊かな場所でゆっくりと仕事をしたり生活を楽しもうという人が増えています。

 

自然との共生とはまだ遠いかもしれませんが、縄文時代から先人は自然の一部として自然とともに文明、文化を築いてきたのですから、現代でも、必ず人と自然のいい循環のある、しかも豊かで楽しく生活ができる文明のあり方が築けるはずです。

 

人間はどこまでいっても、自然の一部。生かし生かされている存在。人の心身の健康、資源の循環、いのちの循環、地域経済、国の経済、世界の経済の循環は、自然に大きな源があると思います。

 

個人的にも、これからも自然と共生して、人の健康、地域の循環、自然の循環を再生、促進できるまちづくりや建築、都市のデザイン、プログラムづくりをやっていきたいと思います。

 

 

 

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