最近、茅葺屋根の第一人者に指導いただきながら茅葺屋根の持続可能とこれからの時代の可能性について研究をしていますが、茅葺屋根は今、ヨーロッパではサスティナブルな建築として、環境意識の高い国を中心に新築も多く、斬新なデザインも多い。お金持ちのステータスにもなっているとか。それ以外でも世界中で、茅葺、草葺の建築は建築の原始的な形でありながら、資源の循環と地域コミュニティの結束など、これからの時代に大きな示唆を与えるものと考えられています。
そんな茅葺屋根の古民家ですが、囲炉裏が使える茅葺屋根の家はなかなか残っていないのが現状です。本来は囲炉裏で火を炊いて、その煙で天井の茅や縄を煙で炙ることで強度を強くできていました。また、害虫駆除にも煙は有用でした。耐用年数は約倍になるそう。つまり、昔は食事の煮炊き、暖房、家の耐久性をあげることに貢献してきた囲炉裏。自然の火からは1/fのゆらぎという周期で揺れる炎を観ることで、精神的癒やし効果もあるそうです。そして、家族の団らんの場でもあった囲炉裏場。縄文住居の中にも真ん中に囲炉裏があり、茶室の中にも炉があり、自然の火はただ単純に煮炊きをする、暖を取る、ということ以外に、人と人の関係をより強固にし、かつ、精神的癒やしを与えてくれるものでもありました。
しかし、茅葺屋根の古民家は冬は寒い!
囲炉裏で火を囲っても最初は良くても長時間座ってるにはなかなか限界がある。それは北山形式の茅葺屋根では破風から外の風が入ってくるから。飛鳥時代から奈良時代には今で言うオンドルがあったと遺跡を調べるとわかりますが、いつの間にか、日本の建築は夏の気候に合わせたつくりが主になっていった結果、冬は寒く、局所暖房に頼り、少し不健康で非効率的になってしまった。
今ではコロナウイルスとかで換気が重要視されてますが、先人はとっくの昔からそんなこと知っててやってたんでしょうね、開放系の建築。僕も閉鎖系の建築の中では息苦しさを感じてました。だから、昔ながらの古民家風は心地よい、しかし、冬は寒い。
そこで、築220年の茅葺屋根の家では囲炉裏場の下に薪の暖気を採り入れる床暖房をつくることに。それも、二十代目当主とともに、職人を使うことなく自分たちで。これが重要。自分でできることは自分でやる。まずは、八角形に床をはいで、壁をつくり、真ん中に八角形のすり鉢状のタタキをつくりました。蔵の土壁から取った赤土でつくった手作り三和土でタタキを今日作りました。三和土はコンクリートと違って、使わなくなったらその場で砕いて土に還る素材。茅葺屋根もそうですが、自然に還る素材で作るのが、これからの建築のベースになっていってほしい!
先日、豊かな多様性のある土壌、太陽光と程よい湿度のもとではコロナウイルスは生存時間が短くなるという研究が発表されましたが、コロナと共生できる強い人間になれるかどうかは、いかに自然とともに、自然の智慧を生かして生きれるか、それにかかっていると言っても過言ではないと思っています。
もし人類が今後も生きつづける道を探るならば、自然と共生し、免疫力を上げ、コロナごときに負けないような精神的、肉体的、強さを維持、獲得するしかない!弱ったら終わり、弱肉強食の自然界の法則に従うしかないかもしれないなと思います。
しかし、腰が痛くなるのは必死!笑
床暖房を備えた囲炉裏、この後は乞うご期待!
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