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Traditional wisdom

Environment Regeneration for a park in Kyoto

つくっている過程 2020年9月16日 活動内容 園路の表層浸透水脈   学んだこと ・百済系の技術 ・古墳、寺院などの古代の巨大構造物、建築物の下の土中環境づくりがなされていた。 ・大宮交通公園の地面は相当堅い。残土置き場だったのか。 ・予算1/10 ・コスト重視でつくられるものは人にも自然にも悪影響を及ぼすものが多い。一方で、手間暇かけてお金をかけたものは数百年以上長持ちし、最終的に土に還り、人にも自然にもプラスの作用をもたらす。 ・本日の作業箇所のコストは1mあたり700円。30m/日くらいやらなければ人件費を出せない。 ・自然にやさしく、人にも心地いい環境は、地上部分にも土中でも水と空気がながれているかどうかで決まる。 ・井戸はまわりの土をやわらかくする点穴としての役割も果たしていた可能性。 ・点穴を1m掘ると1.5mから2mくらいの深さの土がやわらかくなる。   ・枝は水が上から下に流れるように、立体的にしがらみをつくり、なじませるように入れていく。 ・葉のついた枝は雨が降った時に横の土から出る泥を濾すために挿していくように入れる。 ・コンクリートガラ、落ち葉、針葉樹の枝など、使われていなかったものが環境再生で生かすことができる。 ・竹炭の上の枝や葉のついた枝には広葉樹以外にも針葉樹も使える。   気づき ・日本の建築土木を変えるには国交省、自治体、スーパーゼネコンなどを動かすことが重要。 土中環境について 2020年春頃

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Microbial Environment

健康をつくり出す茅葺きの微生物環境   茅葺屋根などの伝統的な建築、環境のあり方が人の健康に寄与する可能性があるということが微生物環境の科学的な研究によって明らかになってきました。   茅葺屋根に関して言うと、屋根の材料である茅は日本ではススキ、ヨシ、オギ、稲藁、小麦藁、笹などが使われていますが、それらはイネ科の多年草です。稲藁からは納豆をつくるもとになる納豆菌が出ており、納豆菌は免疫力を上げてくれますが、京都大学農学部の調査により、ススキの菌を調べたところ、ススキからも納豆菌が出ていることが明らかになりました。   また、京都大学、広島大学、広島工業大学などの研究では、茅葺き古民家の中の微生物環境は、家の内側と外側でほとんど同じであり、室内でも自然由来の微生物が多く、水廻りも含めて病原性の菌の繁殖が観られないという結果が出ました(*1)。一般的な現代住宅では、家の室内では人由来の微生物が多く、家の外側は自然由来の微生物が多く、内外は微生物環境としても分断されていることが多く、また、水廻りでは病原性の菌が繁殖していることが多くあります。しかし、茅葺屋根ではその逆で、人と自然の微生物がバランスよく保たれ、病気を防ぐ環境であることが分かりました。   以上のことから、伝統的な茅葺屋根では人の健康を保つ力があるということが言えます。   また、茅葺職人や茅葺屋根に実際に住む多くの方の話によると、茅葺屋根に住んでいる人は一般的なハウスメーカーやコンクリートのマンションで暮らす人よりも寿命が長く、元気な人が多いということが分かりました。今後の研究を進めていく必要がありますが、茅をはじめ、木材、竹、土などの茅葺屋根を構成している材料から出ている菌と腸内細菌の関係性もあると考えられます。   茅葺屋根は葺き替えで降ろした茅は田んぼや畑に肥料として入れていましたが、茅葺屋根の住人による証言では、茅を肥料として入れて育てた作物はその育てた人の体調にあうような作物になると言います。人体には数百兆個の細菌が常在し、その約9 割は腸内にあり、人の免疫システムや精神状態までもが腸内細菌によってコントロールされていると最近の科学で徐々に明らかになってきておりますが、人体の身の回りの半径1mを包み込むように腸内細菌フローラが漂っているそうです。その腸内細菌と建築から出ている菌が共生関係にあり、お互いの健康や寿命を長くしている可能性もあるのかもしれません。実際に、人が住まなくなった家は5年ほどで朽ちていきます。人から出ている何かが家に影響を与えているからだとも言えるかもしれません。   今後の研究によって、人と建築、自然の微生物環境の関係性をより明らかにし、今後の住環境や都市環境、地域計画、ランドスケープ、都市計画、国土づくりに生かしていきたいと思います。 腸内細菌の影響・免疫力を上げる・成人病予防(肥満、糖尿病など)・精神、情動行動・脳活動、学習機能など *1 Daisuke Ogura, Fumito Maruyama et al(2021), “Relationship between the Microbiome and Indoor Temperature/Humidity in a Traditional Japanese House with a Thatched Roof in Kyoto, Japan”, Diversity 2021  

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Sustainable Regional Cultural Landscape and Land Planning

その地域の自然環境、森、里、川、都、海までのつながり、生態系、地域資源、人々の営み、物流、地域間交流、文化、歴史、精神性、政治、経済活動などによって、総合的に持続的に醸成されてきた地域の環境を「地域文化環境」として定義し、その顕れの象徴として茅葺きとそれらの関係性、それが今後の持続可能な社会づくりに対する可能性についての研究を行いました。 研究対象地は、京都の里山である京北の山国地域で、古代から国づくりを支えてきた人たちが多く住み、8世紀後半からは平安京造営、日本の国づくり、天皇家の暮らし、都の人々の暮らしに大きく貢献してきた地域で、今でも茅葺屋根や茅場が残り、伝統的な暮らしを続けている方もおります。その中で、茅葺きの家に約1年、その後、トタン屋根に約1年実際に住んで、20世紀前半から現代までの地域の自然環境(森里川など)、人々の営み、茅場などの変遷とその要因を建築スケールと地域スケールでまとめました。また、近年、京北地域で行われている持続可能なまちづくりと地域住民との関係性についてまとめ、持続的な地域環境形成の可能性について論じております。   その土地本来の環境には、長い年月をかけて、愛着をもって、自然と共生しながら醸成させてきた精神性や文化、営み、技術が込められています。この研究では、生活者でありながら、外からの視点によって、その本来の価値を可視化、言語化することに成功し、本研究の結果、様々な関係性の中でつくられてきた茅葺屋根に新たな価値を見出し、進化させることで、逆説的に持続的な地域環境をつくることができることが明らかになりました。     東京大学大学院工学系研究科建築学専攻提出論文   日本語タイトル「山国地域の茅葺きにみる持続的地域環境形成の可能性」   英語タイトル「The Possibilities of Sustainable Landscape Observed through the Thatched Roofing in Yamaguni Region, Kyoto」   本論 https://drive.google.com/file/d/1_zWNsuCxvL8Os2JqTRhKbESxnSjYfNoN/view?usp=sharing   梗概 https://drive.google.com/file/d/1uMz68PWp5p3l0Zm5Bch5Yl13pxmFpYXR/view?usp=sharing 明治大学建築学科での講義

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Hypersonic Sound Environment

人間の可聴域(耳がいい人でも2 万Hz 前後まで)を超える音域を高周波または超音波と呼ばれています。それは耳ではなく、人間の場合は皮膚にある受容体(センサー)通じて受け取っており、免疫力の向上、ストレスの低減に効果があり、美しいものをより美しく感じるという人間本来の感性を育てる効果があることが研究で明らかになっています。高周波の第一人者としては、世界的アニメ映画「AKIRA」の音楽を製作した山城祥二氏(本名:大橋力氏。文部省放送教育開発センター教授、ATR人間情報通信研究所感性脳機能特別研究室長などを経て公益財団法人国際科学振興財団情報環境研究所所長。文明科学研究所所長。農学博士)、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所の本田学氏らが研究を行っています。また、他分野の研究者も、各自調査研究を行っています。   Regreenでは、国内外の森、茅葺きや里山環境、伝統音楽の中にある高周波環境を測定し、高周波の知見を生かした建築、ランドスケープ、都市環境のデザインを行っています。   Regreenで行った高周波環境測定結果   茅刈り 鎌で茅を刈り取る時の「ザクッザクッ」という音からは18万Hzを超える高周波が出ています。その他にも茅を束ねる作業など、茅を触って音が出ている時には高周波が出ています。屋根材を収穫するための作業は、人の心身の健康を整えることにもつながり、まさに一石二鳥とも言えます。また、茅刈りを毎年行うことで土の状態も、茅の質も向上し、茅ネズミや虫、他の生きものも育ちやすい環境となり、みんなにとっていい環境をつくることができます。   茅葺屋根の葺き替え作業 茅葺屋根の葺き替え作業は様々な工程、作業から成り立っていますが、手や道具を使って茅を扱う作業のほとんどからは高周波が出ています。特に、タタキという道具を使って茅の先端を揃える作業、鋏で茅の先端を刈り揃える作業では、熟練度が高い人ほど、高周波が出ていました。熟練した技術を身に付けた職人さんの仕事からは心地よい音が出ていますが、高周波の観点からもそれが言えるということが分かりました。   この高周波や茅葺きと高周波の関係性、それを生かした福祉や建築、ランドスケープの可能性について、BBCに2022年に取材され2023年3月にラジオ番組として世界に放送されました。ご関心ありましたらぜひご視聴ください。 その他、Regreenで実際に測定した高周波の事例です。   森   川   用水路   水のせせらぎ   呼吸法     ハモンドオルガン NHKが使用していたアメリカのハモンド社製のハモンドオルガンは今、福島県福島市の古関裕而記念館に寄贈され、毎週土日演奏されています。音色が心地よく、癒されるという声が多いということで高周波を測定してみると、18万Hzを超える高周波が出ていました。また、今まで測定してきた中でも強い音が出ていました。心地よい、癒される音からは可聴域を超えた高周波が出ていることが多く、ハモンドオルガンはそのいい例でした。   法螺貝 和太鼓、尺八など、伝統的な楽器からは高周波が出ていることが多いですが、法螺貝からも強い高周波が出ていました。山伏の修行や儀式、戦の時などに使われ、2km先まで届くと言われる法螺貝の音色は人の心を落ち着け、癒し、免疫を高めるという作用もあったということが分かりました。そのような作用を先人は科学的なデータがない時代でも理解しており、人の心を癒すために宗教的な場で使っていた可能性が高いと考えられます。   このように、伝統的な営み、宗教的な場で使われる楽器からは高周波が出ていることが多く、先人が培ってきたことは人の心を癒し、免疫力を上げ、人間本来の感性を活性化させる働きが古来からあったということが分かります。 それは作業、宗教的な儀式、行事など切り離されたものではなく、一つのカタチとしてあった、それは、地球そのものが発しているものを人間という存在を通して発せられたものであるということも言えるかもしれません。

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Thatching and Thatched Roofing

茅、茅葺きには、人類の根源、宇宙や地球の本質、それとともに生きてきた先人の智慧が詰まっています。Regreenでは、それを現代的な視点も含めながら再評価し、現代の建築、都市、地域環境、ランドスケープのデザインに生かしていきます。 ここでは、日本や世界の茅葺き、茅、茅葺きの現代に応用できる点などについて紹介しています。   茅葺きの本質は、数千年の間、自然と共生してきた先人の智慧がつまった総合文化であり、あらゆるいのち、自然、人、精神性、文化、あらゆる循環あるものの営みの総合体であり、その土地で、その時代その時代でアップデートされてきた伝統的な固有の生活文化を支える環境そのものである。茅葺屋根や茅場だけでなく、材料をつくり、人々の営みを支える山も、森も、川も、海も、空も、田んぼも畑も、人々の生業も、地域経済も、ありとあらゆるものが含まれ、先人は何百年、何千年とかけ、自然と調和した社会をつくってきた。それは建築や集落、都市だけでなく、日本の多くの伝統文化にも観ることができる。その精神性は、天皇家から一般まで、老若男女や階層に問わず共有され、大嘗宮、伊勢神宮をはじめ、全国各地の神社仏閣、茶室、民家などがつくられてきた。また、世界中に人類共通の原初的な住まいとして世界各地にあり、国籍や信条、哲学、アイデンティティの違いなどを超えるものでもある。 現在、戦争と平和、気候変動、環境問題、感染症、地域課題など、国や世界は多くの不安要素、不協和音を抱えているが、茅葺きとそれにまつわる伝統智を科学的に再評価、現代に応用し、これからの時代に応用できるモデル開発、デザインをしていくことで、諸問題を解消し、楽しく、豊かな社会づくり、国づくり、世界づくりにつなげることができると考えている。 Regreenでは、それらを建築、都市、ランドスケープ、国土計画、環境デザイン、仕組みづくりのフィールドでソフト・ハード両面で行っていく。 茅葺きの特徴 建築、風景として・伝統的な原風景、癒しの風景(世界各地にある人類の住まいの原型の一つ)・昆虫、鳥、植物(苔、木、草)など、あらゆる生きものを育む森のような屋根・雨風、電磁波、日差しなど様々なものから人を守るシェルター・民家としてだけでなく、神社や寺院、日本で最も重要な儀式とされる大嘗祭にも使われる・母胎の中にいるような安心感のある空間(うす暗い、雨でも閑か、あたたかみがある、自然のにおい・・・)・環境変化に柔軟に対応できる・解体、移築、転用、増築、減築が自由にできる・地震、台風の力を逃がし、柔らかく耐えられる構造・数百年の寿命・地域資源を活用し、最終的に土に還る建築・火を焚く本質的な人の暮らしのあり方(囲炉裏、かまど)・夏涼しく、冬暖かい(茅は断熱性能が高い。冬寒いのは壁、床からの隙間風の影響。壁、床の断熱をしっかり行えば冬も快適な建築になる)・家の中で発酵食品がよくできる・断熱材としての利用(茅は現代建築で使われる化学的な断熱材と同等クラスの断熱性能をもち、福島の復興住宅でも使われた)   人の健康につながるもの ・熟睡できる(京都府美山での老若男女30組50人以上による実証試験の結果)・多様な自然由来の微生物と共生し、免疫力を上げ、病原性の微生物の繁殖を防ぎ、コロナウィルスなどの疫病にもかかりにくい建築のあり方(京都大学、広島大学、北海道酪農学園大学、世界中の研究機関の結果の総合的な知見の集約による)・茅から検出される菌の中で、免疫力を上げる菌が全体の約1/4(京都大学の研究結果)・茅刈り、茅を葺く作業からは高周波が出る(可聴域である2万Hz以上の音で、人の免疫を上げ、ストレスを下げ、人間本来の感性を活性化させる効果がある)・囲炉裏の木酢液の滅菌・殺菌・高寿命化効果(京都大学名誉教授の研究結果による)・高齢まで元気に生き、大きな病気をせずに天寿を全うする人が多い(実際に茅葺屋根に住んでいる人、茅葺き職人などの数十人の証言による) 循環、環境、生態系への貢献 ・屋根材としてはもちろん、内装材、外装材、家具、プロダクトなどに使え、炭素固定に貢献、最終的には肥料にでき、自然に還る最高の循環素材・古茅はカブトムシの巣(京都府京北での実証試験で屋根の葺き替えで降ろされた古茅から100匹ほどのカブトムシが生まれた)になる・お米を育てれば稲藁が採れ、茅束を締める縄、わら細工、しめ縄、土壁など多くの副産物利用につながる・土壌改良、地下水、湖、川、空気の浄化など、環境再生装置としての働き・茅の二酸化炭素吸収量は森林の約1.8倍(茅は高温乾燥の環境でも光合成を活発化させより多くの二酸化炭素を吸収し酸素を排出してくれるC4植物に分類される。一般的な木、草花などの植物はC3植物で高温乾燥の環境では光合成よりも呼吸が優位になるため、森と草原、バランスよく計画することが重要)・水源涵養(草原の水源涵養力は杉林よりも高い)・土壌炭素蓄積(草原の土壌炭素蓄積量は杉林よりも高く、野焼きによる二酸化炭素発生量よりも土壌炭素固定量の方が圧倒的に高い)・茅場は、小動物、大型哺乳類、昆虫、草花(秋の七草も)など、森林よりも豊かな生態系を育む・森、茅場は、森から海までの自然の循環をつくり、土砂災害防止、獣害防止に貢献・茅は多年草で一年に一回、ほとんど手をかけなくても収穫でき、生産性が高い・欧米では茅を使ったバイオマスエネルギーが実証されている・穢れを払う(京都の祇園祭、茅の輪) 海外の茅葺屋根(古民家、現代茅葺建築)   茅葺屋根は日本だけでなく、世界中に古来から存在する。それはその地域で採れる材料で屋根を葺くということであり、たとえば、東南アジアやポリネシアではヤシの葉、バナナの葉など、ヨーロッパでは小麦ワラやヨシなどで屋根を葺いてきた。また、オランダでは水車の壁に茅葺きが使われてきた歴史があり、今も屋根だけでなく、壁や内装など現代建築の新しい茅葺きの形が提案され続けている。造形的に自由につくれるということもあり、ヨーロッパでは茅葺きの新しい可能性が模索され、集合住宅や一般住宅の屋根、壁など、茅葺きは建築をつくる際の選択肢になっており、一大産業にもなっている。 イギリスの古民家(資産価値数億円) ポリネシアのリゾートコテージ ドイツの古民家(築350年) デンマークのコミュニティ施設 オランダの消防署オランダの住宅  オランダの住宅 オランダの野生動物観察所 ハーバード大学の森俊子教授によるアフリカの茅葺き建築 国内の現代の茅葺きの利用 美容室(日本) 神社(日本) サイクリングセンター(日本) 民家(日本) 農家レストラン(日本) 店舗(日本) 伝統的な建築、都市と現代の建築、都市について   鉄、ガラス、コンクリート、化学的な材料を用いた現代建築は安価で、短期間ででき、自由なデザインの建築ができ、様々な機能性をもたせ、巨大な建築から小さな建築まで建築の可能性を大きく変えました。しかし、伝統建築には現代建築にはない、今後の自然と共生し、持続可能で健康的な環境をつくることができます。   Regreenでは、日本における伝統的な建築や都市がもつ現代における可能性について研究してきました。     藤原京(694年~710年)藤原京は、白村江の戦(663年)の後に、日本が対外的に独立した国家であるということを示すために唐の都に倣いつくられた古代日本初の都城制、条坊制の巨大都市である。後の平城京、平安京を凌ぐほどの規模であったが、その土地の傾斜や立地条件の問題によって衛生環境が悪化し、疫病が流行り、藤原不比等によって平城京建設が定められた。しかし、藤原京造営前の時代に天皇の代が変わるたびに都を変えていたため、奈良盆地には新都建設のための木材は残っておらず、山は禿山になっていた。そのため、藤原京造営時の木材は、現在の滋賀県田上山から4本の川と陸送を使ってやっとの思いで運ばれた。平城京造営のためにも木材が残っていなかったこともあり、藤原京のほとんど全ての建築物は解体、移築され、平城京に使われた。人による森林破壊、環境破壊、疫病、戦争と平和など、多くのことが現代と重なる時代につくられた都であるが、現代の都市を構成するコンクリート建築は一つも他の都市に移築することはできないということを考えると、1300年前の都、建築のあり方は逆に最先端なあり方だと言える。 現代都市の建築のあり方・遠くでどのように採掘、生産されているか分からない人工的な材料でつくられた建築で構成。多くの場合、自然破壊につながる ・多大なエネルギーをかけ、生産地から建設現場に運搬される・市民の目に入らないように覆いをかけられ、大音量の騒音を出す機械によって、多大なエネルギーをかけてつくられるが、寿命は数十年からもっても100年前後・移築は基本的に考えられていない・多大なエネルギーをかけて解体される・自然に還らず、クローズドな循環あるいは廃棄物として処理され、場合によっては自然を破壊して終わる 伝統的な建築・都市のあり方・周辺で大切に育てられた自然の材料でつくられた建築で構成 ・材料を育てる過程で、他の木々、草花、昆虫、鳥、哺乳類、爬虫類など、多くのいのちを育て、森から川、海まで大きな自然の循環をつくり、食や資源など人の恵みにも還ってくる・エネルギーをあまりかけずに人の手でつくられるものが多い・寿命は数百年~千年以上・解体、移築、転用、増築、減築ができる・最終的に肥料または燃料(薪)になり自然にプラスに働いて自然に還る       微生物と共生する建築都市 現代の都市は鉄、コンクリート、ガラス、化学製品など人工的に加工された材料でつくられているものが多い。一方で、伝統的な建築は木、土、茅など、基本的に自然素材、または襖、障子などのように自然素材を加工したものでつくられている。新型コロナウイルスは空気中で数時間、固形物の表面で2 ~ 3 日生存可能だとする研究結果を、米疾病対策センター(CDC)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)およびプリンストン大学(Princeton University)の研究チームが発表した【2020 年3 月20

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