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コロナに対応したこれからの住まいのあり方

森に囲まれた自然豊かな場所で、敷地内の微気象を利用した分棟型の住まい。

最近、コロナもあり、田舎の一棟貸しやキャンプ、グランピングが流行っていますが、新しい住まいのあり方として、このような形もあります。

微気象とは、小さな敷地内でも地形の起伏、樹種の種類、高さなどによって、光の強さや風の流れが異なり、同じ敷地内でも微妙に気温や湿度も変わってくるような現象をいいます。たとえば、木陰と光がさんさんと当たるところが近くにある場所をイメージすると、夏の暑い日には、木陰の方が涼しく、光もやわらかで、過ごしやすい場所だと思いますよね。また、森の中でも木が密集しすぎると風通しが悪くなり、光も入らなくなり、暗い森になりますが、その中でも空地があると光が入り、風が通り、心地いい空間が生まれます。人が一つの場所にずっといようとすると、この「心地いい」という感覚がとても大切になります。でも、その「心地いい」は案外、人それぞれ微妙に異なったりもします。ある人は締め切った空間でも全然平気かもしれません。しかし、ある人は風通しが常に感じられないと窮屈で圧迫感があって頭が痛くなる、そんなこともあります。僕も後者の方なので、コロナ禍になる前から、冬でもよく換気をしていました。また、日中でも暗い部屋でも平気という人もいます。僕は太陽の光が入ってこないとだんだんと顔のあたりが疲れてきて、頭もぼーっとしてしまい、外に出たくなります。セロトニンも重要ですし、朝は太陽光線をたくさん浴びるように心がけています。それもいつも同じ環境がいいと思うかというと、その時の気分、状態によって最適な環境は変わったりします。しかも、同じ家族でも、仲のいい友人同士でも、それぞれ最適な環境は異なります。

微気象のイメージ(雨、風)

微気象の中での住まいの断面イメージ

こういうことを考えていくと、一つの家の中で住まい、固定された部屋を使うよりも、敷地の中で、よりその時の自分にとって最適な環境を求めて部屋を変える方が合理的なのではないかと思います。

これは学生時代に出したコンペですが、森の中に分散して小屋が配置されています。木の種類や高さ、樹幹の大きさも異なり、敷地内には微気象があります。それぞれの小屋は高さも違います。それぞれ、光の強さ、風の流れ、視界が異なり、それぞれの人がそれぞれ自分の好きな時に好きな環境を選んで入る器を変えていきます。
日向ぼっこをしながら本を読んだり、風を感じながら作業をしたり、地下の静かな空間で趣味に没頭したり、広めの空間で家族や仲間と談笑したり・・・
それぞれが好きな時をプライベートな空間で過ごすことができます。

感染対策も分棟で、森の広い空間に囲まれているので安心です。

材料も天然素材を使い、健康によく、最終的には土に還るエコな建築です。

大きな図面はこちらから

木屋林

LOHAUSコンペ佳作受賞作品

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