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高周波について

高周波とは

人間の可聴域(耳がいい人でも2 万Hz 前後まで)を超える音域を高周波または超音波と呼ばれています。それは耳ではなく、人間の場合は皮膚にある受容体(センサー)通じて受け取っており、免疫力の向上、ストレスの低減に効果があり、美しいものをより美しく感じるという人間本来の感性を育てる効果があることが研究で明らかになっています。高周波の第一人者としては、世界的アニメ映画「AKIRA」の音楽を製作した山城祥二氏(本名:大橋力氏。文部省放送教育開発センター教授、ATR人間情報通信研究所感性脳機能特別研究室長などを経て公益財団法人国際科学振興財団情報環境研究所所長。文明科学研究所所長。農学博士)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所の本田学氏らが研究を行っています。また、環境省や他分野の研究者も関心を示し、各自調査研究を行っています。

Regreenでは、国内外の森、茅葺きや里山環境、伝統音楽の中にある高周波環境を測定し、高周波の知見を生かした建築、ランドスケープ、都市環境のデザインを行っています。

Regreenで行った高周波環境測定結果

茅刈り

鎌で茅を刈り取る時の「ザクッザクッ」という音からは18万Hzを超える高周波が出ています。その他にも茅を束ねる作業など、茅を触って音が出ている時には高周波が出ています。屋根材を収穫するための作業は、人の心身の健康を整えることにもつながり、まさに一石二鳥とも言えます。また、茅刈りを毎年行うことで土の状態も、茅の質も向上し、茅ネズミや虫、他の生きものも育ちやすい環境となり、みんなにとっていい環境をつくることができます。

茅葺屋根の葺き替え作業

茅葺屋根の葺き替え作業は様々な工程、作業から成り立っていますが、手や道具を使って茅を扱う作業のほとんどからは高周波が出ています。特に、タタキという道具を使って茅の先端を揃える作業、鋏で茅の先端を刈り揃える作業では、熟練度が高い人ほど、高周波が出ていました。熟練した技術を身に付けた職人さんの仕事からは心地よい音が出ていますが、高周波の観点からもそれが言えるということが分かりました。

ハモンドオルガン

NHKが使用していたアメリカのハモンド社製のハモンドオルガンは今、福島県福島市の古関裕而記念館に寄贈され、毎週土日演奏されています。音色が心地よく、癒されるという声が多いということで高周波を測定してみると、18万Hzを超える高周波が出ていました。また、今まで測定してきた中でも強い音が出ていました。心地よい、癒される音からは可聴域を超えた高周波が出ていることが多く、ハモンドオルガンはそのいい例でした。

法螺貝

和太鼓、尺八など、伝統的な楽器からは高周波が出ていることが多いですが、法螺貝からも強い高周波が出ていました。山伏の修行や儀式、戦の時などに使われ、2km先まで届くと言われる法螺貝の音色は人の心を落ち着け、癒し、免疫を高めるという作用もあったということが分かりました。そのような作用を先人は科学的なデータがない時代でも理解しており、人の心を癒すために宗教的な場で使っていた可能性が高いと考えられます。

このように、伝統的な営み、宗教的な場で使われる楽器からは高周波が出ていることが多く、先人が培ってきたことは人の心を癒し、免疫力を上げ、人間本来の感性を活性化させる働きが古来からあったということが分かります。

それは作業、宗教的な儀式、行事など切り離されたものではなく、一つのカタチとしてあった、それは、地球そのものが発しているものを人間という存在を通して発せられたものであるということも言えるかもしれません。

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